★★ ネタバレあり ★★
異色の良質シミュレーションRPG
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楽しく遊べる良質SRPG |
「ロイアル・ストーン 開かれし時の扉」は1995年にセガから発売されたゲームギア向けのシミュレーションRPG(以下SRPG)。暑すぎる夏の夜、本作をネットリと遊んでいました。
特徴をちょこっとご紹介すると・・・
★ キャラクターがイラストレーターの九月姫さんでとてもかわいい!
★ グラフィックも音楽もゲームギア最高峰!
★ 属性×地形効果を活用しないと勝てない戦略性高めのゲーム性!
こいつはいいと思ったそこのあなた! 当時はエヴァンゲリオンなど失われた〇十年を先取りする憂鬱アニメの時代であることを忘れちゃいけません。
本作品の最大の特徴は・・・
「鬱展開」
かわわいいキャラなのに、エンディングに至るまで一貫して暗さが付きまといます。
磔(はりつけ)イファ様
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磔のまま海に流されます・・・よく生きてたな |
しょっぱなから主人公のイファ様は公衆に罵られ、磔にされた挙句に処刑されます。どんな始まりなんだ・・・。
何やかやで助かって仲間を得ますが、敵の帝国軍だけでなく裏切り者認定した祖国からも最後まで追わる展開。
基本的にどこに行っても「敵認定→分からせ」の繰り返し。女の子版の異世界おじさん状態であります。
鬼神イファ様
イファ様。暴虐な帝国や裏切り認定をやめない祖国からひたすら強襲される日々を過ごしますが、すべて迎え撃ち無双状態。
そしてイファ様自身も万能のEARTH属性。レベルが高まると暴力的なまでに攻撃力が上がります。
あまりに鬼神のため、敵側が悲壮になり「Youはなぜに戦うの?(意訳)」と逆に問われる始末。もはや破壊神扱いであります。
「マジで勘弁してよ」状態の敵方 |
コミュ障イファ様
イファ様、主人公ですが寡黙であります。心配なくらいしゃべりません。要所ではセリフがありますが、一回も笑ってなさそう。
そんな本作で唯一明るめのキャラは、マスコットキャラのココットさんです。
街の探索場面では主人公ではなくココットさんを操作して情報収集します。イファ様はコミュ障気味なので妥当な判断。
コミュ強 ココットさん |
そして、敵方も祖国もすべておじゃんにしてたどり着いたエンディング。勝利の余韻も少なく「みんないろいろメンゴ(意訳)」で終わりですよ、奥さん!
強く生きていこうぜ!
ユニット復活なしが心にキタ!
ゲームシステムも心にキます。一度やられたユニットは「辞世のセリフ」を残してあの世へ去ってしまい、二度と使えません。
タヒるんですよ。仲間が。
あまりにつらいため、自分のチームは誰もタヒらないように下手な突撃などはせず、幾度もやり直しながら進めました。
なんてセガなゲームなんだ。最高か。
おもしろかった!
というわけで、かわいいキャラデザ、高レベルなグラフィックや音楽、時代を反映したちょっと薄暗いシナリオが絡み合い、いい夏休みを過ごせました!
中古は高いし、ゲームギアミクロは老眼にはきついし、なかなかプレイ環境を整えるのはむつかしいけど、みんなもなんとかしてやってみてくれよな!